目でみる耳鼻咽喉科
青色を呈する鼓膜
天津 睦郎
1
,
箱崎 聖史
1
,
山本 松紀
2
1神戸大学医学部耳鼻咽喉科学教室
2川崎病院耳鼻咽喉科
pp.94-95
発行日 1985年2月20日
Published Date 1985/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209910
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種々の疾患や病態で鼓膜が青色を呈することは古くから知られている。すなわち鼓室底の骨欠損にる頸静脈球の鼓室内への突出(high jugular bulb),鼓室型glomus jugulare tumor,血管腫,頭部外傷,高度鼻出血やアデノイド切除後の出血に対する後鼻孔タンポン施行時,白血病などの出血性素因,コレステリン肉芽腫などの場合である。したがって青色鼓膜は疾患名ではなく症候名であることはいうまでもないが,現在一般にblue ear drum(青色鼓膜)という呼称は,コレステリン肉芽腫(症例3)に対して用いられている。
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