Japanese
English
特集 精神科作業療法における評価の実際
投影的活動を利用した人格診断
Personality Test: Diagnosis Through Projective Activities
石谷 直子
1
Naoko ISHITANI
1
1福岡大学病院
1Fukuoka University Hospital.
pp.399-405
発行日 1982年6月15日
Published Date 1982/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102649
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.投影法とは
1952年,クロールプロマジンの発見によって向精神薬が急速に発展し,精神障害者の顕在的症状が劇的に減少したことは周知の通りである.それと平行して,精神障害者の心的過程が,障害の発生や経過に大きく影響を与えるというフロイド以来の考えが展開され,さまざまの精神療法が発展してきたことも,今さら云うまでもない.こうした背景は,精神障害者の治癒という概念を,単に症状の消滅に留めず,病的破綻を来さねばならなかった人格の弱さや歪みを修正し,さらには,社会への適応性を育成することをも,その範疇に包含させた.当然ながら,治療者の関心は,患者がどのような環境で育ち,どのような心理的葛藤を持ち,どのような自我の防衛機能を持つに至ったかという,患者の人格全般とその発達過程に向う.そして,それらをいち早く,合理的に把握すべく,さまざまの人格検査が研究されるようになったわけである.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.