あんてな
精神障害者福祉法について
樋田 精一
1
1国立武蔵療養所
pp.964
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102524
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障害者福祉法としては,身体障害者福祉法(昭和24年)と精神薄弱者福祉法(昭和35年)があるが,精神障害者福祉法はない.その理由として,現行障害者福祉法が障害の固定を前提とし,治療の次の段階としての福祉という構造になっているため,精神病などの精神障害がこれになじまない,ということがあると考えられる.しかし,精神障害者について,その障害に由来するさまざまなハンディキャップを考えるならば,発病初期の段階から相当長期間にわたって医療と福祉の援助が同時に必要であることは言うまでもない.さらに,精神障害は本人の置かれた状況によってその症状・程度が変動するものであるところから,その福祉施策も柔軟かつ迅速であることが必要である.したがって,精神障害者に対する福祉法を考える場合,現行障害者福祉法のあり方そのものから根本的な検討を加えなければならない.
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