プログレス
精神障害者福祉にのぞむもの
臺 弘
1
1社会福祉法人創造印刷
pp.593
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102424
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私は精神科の外来診療と職能訓練工場のカウンセラーと保健所での精神衛生相談に携わっている.これらの仕事はどれも医療と福祉の両方にまたがっていて,この両者は切り離せないものだということをどこでもいつでも感ずる.それらは共に患者の生活を支えることに共通の根を持っているのだから当然のことなのだが,それを改めて言わなければならない所に,連繋が必ずしもうまく行っていない現実の難しさがある.医療と福祉は,前後に直列につながるのでなく,互いに持場をわきまえながら並列に行われてほしいものである.
それには,医師,保健婦,OT,CW,などの間に,柔かい融通のきく連絡網があってほしい.しかし気心の知れた仲間はいつも得られるとは限らないし,時と共に移り変わる.自分自身にもどんな変化が起るかも知れない.そこで個人的連繋をこえて,社会にある程度しっかりした支持組織を作っておかなければ,仕事は長続きしない.そこで町や村,市や県で,そして国のレベルで,長持ちのするシステムが必要になる.
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