特集 上肢切断
実際に用いられている電動義手―症例報告
久保 茂
1
1東京都補装具研究所
pp.934-936
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102516
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電動義手の構成部品として入手可能なものは,ハンド,リスト,肘がある.実用性の点からすると,前腕切断者を対象としたハンドのみから成るものとなり,数的にもこれが一番多い.そして,前腕切断者が使用する電動義手は,ほとんどが筋電制御を採用したいわゆる筋電義手である.この義手は,10年程前からすでにヨーロッパで広く普及していると言われている.わが国では,ようやくここ2,3年の間に処方数が増えてきた状態である.
わが国で処方数が増えたのは,国産のWIMEハンドのフィールドテストから市販へ至る一連の動きと,外国製品の輸入が精力的に行われたことが契機になったと思われる.さらに,各種の媒体を通して情報,技術が広められてきたことも見逃せない.今後も,わが国での処方数は増え続けることが予想される.そのため,ここでは8年間に亘り,7種8本(内3種3本は試作品)の筋電義手を装着したケースについて報告しようと思う.
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