一頁講座 義肢のパーツ・12
電動義手
加倉井 周一
1
1東京都補装具研究所
pp.971-972
発行日 1985年12月10日
Published Date 1985/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105512
- 有料閲覧
- 文献概要
1.電動義手の歴史
電動義手とは義手をコントロールするためのエネルギー源を電気に依存するものをいう.
歴史的にみると,第二次世界大戦後にヨーロッパ各地で動力義手(空圧義手含む)の開発が行われた.このうちソビエトのモスクワにあるロシア共和国社会保障省直属の中央義肢装具研究所では,1960年に前腕切断者の断端の筋電信号により義手のコントロールを行う筋電義手(図1)の実用化を行った.このソビエト筋電義手は1960年代の前半にイギリス・カナダを通じて西欧諸国に広まり,現在ではソビエト以外に西ドイツ・オーストリア・イタリア・アメリカ・日本・スウェーデンで製品化されており,数多くの切断者がその恩恵に浴している.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.