反省させられた症例
障害受容の経過―外泊・グループ訓練が効を奏した症例
星 文彦
1
1東北大学医学部付属病院鳴子分院
pp.687-689
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102449
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はじめに
一般にリハビリテーションの過程で患者の示す変化は「ショック―回復への期待―悲嘆―再適応への努力―社会復帰1)」という経過をとるが,途中で停滞している例をしばしば経験する.
今回,回復への期待の段階で停滞を示した患者を担当したが,問題把握が不十分であったために,障害受容の過程を遅延させてしまった.しかし,外泊により実際の生活場面での自己像を知り,具体的な目標に視点が向くようになり,またグループ訓練の中で自己の目標を達成して行くことによって自信や積極性が増し,その結果,機能も向上し社会復帰ができた症例を経験した.
この症例の経過の考察と反省,外泊やグループ訓練で注意すべきと思われる点について述べる.
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