特集 救急
活動
大規模災害時の救急対策
新潟地震の場合
情報の収集と適切な対策が効を奏す
渡辺 宏
1
1新潟県新津保健所
pp.235-239
発行日 1967年4月15日
Published Date 1967/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203445
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地震の発生とその被害
昭和39年6月16日午後1時2分,新潟県粟島南方沖の深さ40km地点を震源とした新潟地震が起こり,新潟県の北部および山形県に多大の被害をもたらした。この被害は地震に続発した地盤の沈下,噴砂,地下水の噴出,津波や火災により倍加された。ことに新潟市は,その被害の中心地区となり,信濃川河口部沿岸の新埋立地帯などで「流砂現象」や「噴砂,噴水」が著しく,地盤の低いゼロメーター地帯では「津波,浸水」など水の被害が目だち,火災が被害を大きくした関東大地震や福井地震とはきわめて対照的であった。
炎上火災は新潟地震災害のうち最大の被害をもたらした昭和石油製油所を含めて,石油工業関係3件,その他1件の計4件にすぎないが,「oil aga」といわれる現在,火災の大部分が石油工業から発生していることは,将来大いに注目されていいことではないだろうか。
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