The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 15, Issue 2
(February 1981)
Japanese
English
講座
心理学シリーズⅠ 発達心理(1)―伝達機能の発達
Psychology Series I: Developmental Psychology (1)
高野 清純
1
Seijun TAKANO
1
1筑波大学心理学系
1The Institute of Psychology, the University of Tsukuba.
pp.299-304
発行日 1981年2月15日
Published Date 1981/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102350
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発達ということ
著名な言語学者であるフンボルトは,「人間はただことばによってのみ人間である」といった.この意味では,人間の発達の特徴は,ことばの発達という面に認められるということができる.しかも,ことばには,①コミュニケーション,②認識,③行動統制の3種の重要な機能が含まれている.そして,これらの機能は,人の心のほとんどすべての側面に関わってくる.
発達を正しく理解しようとするならば,心身の総ての面の相互的な関係を明らかにしながら,一個の統合された全体として把握することが必要になる.そこで,ここでは,それにできるかぎり近いかたちで,発達の心理について述べてみたいと思う.この意図がどこまで実現されうるかについては,紙数の関係もあり,自信があるわけではないが,ことばのもつ三種の機能の発達についての説明を中心としながら,この目標に少しでも接近することを試みてみようと思う.
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