特集 リハビリテーション機器
<随想>
自助具の相談に関して
相良 二朗
1
1兵庫県リハビリテーションセンター生活科学課
pp.64
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102303
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最近になってようやく,日本においても相談業というものが一般に認められるようになってきたようだ.〇〇コンサルタントという名称が街頭やCMにもみうけられる.もっとも大部分は,何か品物を売りつけるだの,技術を教えるだのといった第一義の目的のための付属的なものとしての相談のように感じられ,純粋な相談そのものは未だ金銭を支払うに値するものと考えられてはいないようだ.逆に言えば,相談というものは,後に続く行為(例えば物を購入するとか治療をうけるとか)に対して意志決定するための道具,あるいはカタログ的なものであり,セールスの一形態と考えられているようである.
しかるに,相談とは,何か抱いている問題に対して解決の糸口となる情報を得る行為でもある.情報収集ならびに情報管理という作業は,大地から資源を産みだすようなもので,カケラでは役に立たない情報を集中させ役に立つ形に創り上げる作業である.こう考えれば,情報に根ざした相談というものは非常に高価値なものであり,この情報に対しての代償というものが考えられないことはない.
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