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特集 リハビリテーション機器
Ⅱ.日常生活動作別にみた機器
移動:リフター
Lifter
斎藤 延男
1
Nobuo SAITO
1
1甲州中央温泉病院
1Koshu-Chuo-Onsen Hospital.
pp.40-44
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102298
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Ⅰ.はじめに
リフターが便利品,省力化の機器として各種のリハビリテーション関係書籍で紹介され重度障害者の介護上,有用なリハビリテーション機器の一部となりつつある.
しかしながら普及状態についてみるといまだ十分に認識され,活用されているとは言い難い.その原因としては購入費用の問題,身体障害者の日常生活用品の支給対象外であること,機器の機構上,一般家庭にはなじみがうすいこと,労力軽減が最大の目的にもかかわらず使用するに当って余計な手間がかかり,面倒くささが先になってしまうことなどがある.価額の点に関しては今後,更に改良されれば10万円以下のものもできるはずである.面倒くささは操作手順が簡便化されれば解消できるが介護状況を設計する時に検討しておくことが使用頻度を高め,介護者の省力化と結びつくようになる.例えばボータブルリフターでは現場まで移動し,吊り上げる為のシートを体の下に敷くために寝返りを介助するのでは,やはり面倒である.介護の能率化,省力化,軽減化の附加価値がなければならない.
臨床場面を主とするリハビリテーション病院,施設などにおいても便利品であるということにより購入されているが目新らしい最初の時期に使用してみて,やはり前記の理由によるものと思われるが,ほこりを被っている例はよく見かける.病院,施設など人手のあるところではよいが家庭においては機器を使用する広さの点,床の材質,段差などによる使用困難さがある.これらのことから機器を利用する場合,その限度と使用場面をよく把握し,利用目的を明確化する必要がある.勿論このためには機器の種類の検討,使用環境の設計改造も考慮されなければならない.
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