ひまわり
ドリフターズになって心と体を軽くする
渡辺 睦子
1
1東札幌病院訪問看護ステーション
pp.914-915
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901715
- 有料閲覧
- 文献概要
「9月16日は満月になるよ.お月見をしなさい.すすきを飾って団子をつくってね.そうしたら幸せになれるんだよ」と訪問看護の利用者宅で教えてもらった.訪問看護は,こんな季節の会話から始まる.仕事に追われ,空を眺めることを忘れてしまいそうになる時,患者とその家族のふとしたあたたかい言葉で心がなごむ.その気持ちのまま,次の訪問先に行き,今度は私が「今日は夕日がとてもきれいでした.ちょっと外に出て見てみませんか」と家にこもりがちな患者に声をかける.すると,雲を眺めて驚きの顔を見せてくれる.あたたかい気持ちは伝染すると,本気で思える瞬間である.
あたたかい気持ちと同時に伝染するのが,不安や緊張である.訪問ナースは,単独で行動することが多く,訪問先で予測できないような緊急事態が起きたり,準備していたものが足りなかったり壊れていたり,対応に苦慮する場面に出会うことがある.そんな時,ナースに焦りの気持ちがあると,その不安,緊張は即座に患者と家族に伝わる.ナースの対応によって,患者や家族が混乱し不安をもつか,ナースが冷静でいることで安心し信用するかが決まる.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.