反省させられた症例
高齢者における長期臥床患者の理学療法
酒井 喜代司
1
,
福田 修
2
1札幌慈啓会病院
2北海道大学病院
pp.865-866
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102290
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筆者は高齢者片麻痺患者の理学療法に携わって10年になる.この間に数多くの片麻痺患者を扱かってきたが,そのうち一人の高齢者片麻痺患者について苦い思い出が今なお脳裏から離れないで残っている.この苦い経験について述べてみる.
数年前のことであるが,当院のS医師より訓練指示伝票が小生のところにおりてきた.氏名は,○山○子,80歳,女性,5年前の75歳のとき脳血栓により,右片麻痺(不全麻痺であったらしい)を呈し,自宅において近所の医師に往診してもらい,注射と薬の治療を受けて日日を過していた.当院に入院するまでは,一度も理学療法を受けたこともなく,床上で安静の生活を続けていた.
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