Japanese
English
研究と報告
上肢分娩麻痺治療における理学療法のあり方
Application of Vojta's Method to Obstetrical Brachial Plexus Paralysis
野村 忠雄
1
,
辻 成人
1
,
西村 吉行
1
,
千葉 英史
1
,
平田 光江
1
Tadao NOMURA
1
,
Mitsue HIRATA
1
1石川整肢学園石川小児整形外科センター
1Ishikawa Children's Orthopedic Center.
pp.559-563
発行日 1980年8月15日
Published Date 1980/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102208
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.はじめに
上肢の分娩麻痺は,分娩時の上腕神経叢の牽引や鉗子による圧迫などのため生ずるが,最近の産科的知識の普及と技術の向上により,減少傾向にある.表1は,1968年10月から1979年4月まで我々が行ってきた新生児検診において,8,718名中に発見した整形外科的疾患の内訳である.それによれば,上肢分娩麻痺症例は3例,0.03%であった.しかし,一旦発生した分娩麻痺に対しては,早期に損傷の程度と範囲を正確に知る事が困難なため,積極的な治療法を試みる事は少ない.一般的には副子固定や他動的な関節運動訓練などの保存的療法で,麻痺の回復を待つ事が多い.
我々も,当初はその様な治療法を行ってきたが,1973年Vojta6)が脳性運動障害の超早期治療法を我が国に紹介して以来,Vojta法を乳幼児分娩麻痺治療にも積極的にとり入れてきた.今回,Vojta法の治療成績を検討する目的で予後調査を行ったので報告し,併せて他の治療法による成績も呈示し,Vojta法の分娩麻痺治療における意義について述べる.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.