Japanese
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研究と報告
肢体不自由児施設退園後の脳性麻痺の生活とその問題点
Problems Faced by the Cerebral Palsied after Leaving Institutions for Handicapped Children
松下 房江
1
,
北 美智子
1
,
野村 忠雄
1
,
辻 成人
1
Fusae MATSUSHITA
1
,
Michiko KITA
1
,
Tadao NOMURA
1
,
Narito TSUJI
1
1石川整肢学園・小児整形外科センター
1Ishikawa Children's Orthopedic Center.
pp.37-44
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102779
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はじめに
全国の肢体不自由児施設の入所者の内訳は,約10年前までは,ポリオ,先天股脱後遺症が大きな比率を占めていたが,最近では,脳性麻痺児の占める率が多くなり,1例をあげれば,石川整肢学園における,この推移の状況は,図1に示すごとくである.しかもますます重度の脳性麻痺児が多くなりつつある.さらに,当然のことであるが,進学・就職など,退園後の状態も変化し,以前と異なった種々の問題が生じ,今後ますます深刻化していくものと考えられる.
脳性麻痺児(者)の社会的自立などの生活実態調査は,「脳性マヒ問題研究会」による東京都での詳細な報告1)をはじめ,多数報告されている2,3,4,5).
しかし,脳性麻痺児の社会的自立には各個人の身体的・心理的問題のみならず,行政面や医学的リハビリテーションにおける地域性を考慮に入れて考えるべき点も少なくない.そこで,我々は当石川整肢学園を退園し,石川県下に生活している脳性麻痺児(者)の生活実態調査を行ったので報告し,現状の問題点を生活の自立と交友・結婚問題に絞り,考察を加えた.
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