Japanese
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特集 脳性麻痺(成人を中心として)
脳性麻痺者の作業能力開発の試み
Development Work Ability of the Cerebral Palsied
大喜多 潤
1
Megumi OHKITA
1
1兵庫県リハビリテーションセンター(兵庫県障害者能力開発センター)
1Hyogo Rehabilitation Center.
pp.312-318
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102146
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はじめに
近年医学リハビリテーションの充実が見られるにつれて,職業リハビリテーション(以下職業リハビリと略す)への関心が高まってきている.我々兵庫県リハビリセンターに於ても例外ではなく,早くからリハビリの最終仕上げとして,色々な角度からの試みが成されて来た.なかでも数と問題の本質に於て脳性麻痺者対策は最重点項目である.昭和46年当時は,働く能力が十二分にありながら社会の受け入れと,職業訓練等の,より積極的な社会復帰のための通過施設が無く,遠くは九州・広島・東京まで訓練や働く場を求めて出掛けたケースも少なくなかったが,いずれも車椅子に代表される胸腰髄損傷ないし,下肢障害者であって身障等級的には重度であったが,社会性や職業能力的には,決定的マイナスの要因がなかった.事実昭和48年4月,当センター内に,県労働部所轄の兵庫県立身体障害者職業訓練校が開設されるや,停滞していたそれらのケースは次々に職業人と成って社会へ戻って行った.そして解決がつかないままに残された成人脳性麻痺者への対策にウエイトがおかれるようになった.
我々は多くの試みの結果,能力開発センターを生み出し,正面からこの問題に取り組み悪戦苦闘しながら3年を経た.脳性麻痺者を考えるに長期展望をもって見なくてはならず,3年は余りにも短いが,この間を省みて我我の得た少ない経験の内から脳性麻痺者の職業リハビリについて述べてみたい.
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