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特集 脳性麻痺(成人を中心として)
脳性麻痺者の作業能力開発の試み―特にモダプツ法を中心として
A Pilot Study of Work Ability Development of the Cerebral Palsied
佐藤 馨
1
Kaoru SATO
1
1神奈川県総合リハビリテーション・センター
1Kanagawa Rehabilitation Center.
pp.319-325
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102147
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1.はじめに
人は生まれながらにして幸福感を求めている.その幸福の度合は人によって異なるが,各々個人の能力が最大限に発揮される場所があり(仕事または作業を通じて)活用されたなら……!!人は成人に達すると何等かの仕事につく,そして仕事によって得られる幸福感は,休息したい欲求以上の充足感をもたらす.そこで自己の有する最大の能力を仕事という場で発揮するにはどうしたらよいか? それには種々の必要条件があり,個々の持つ能力の分析をはかる事が大切となってくる.
必要条件をはかる能力の種類は―
①身体的能力―筋力,関節可動域,日常生活動作能力,反射レベル.
②知的能力―記憶力,計算能力,言語能力,判断力,書字能力,読解力,理解力,基礎的教養・他.
③感覚機能面―五感を中心とした感覚.運動感覚,平衡感覚,色彩感覚による弁別能力.暗順応速度・他.
④人的能力―指導力,積極性(実行力),耐久力,協調性,社交性,適応性・他.
⑤技術的能力―作業への集中力,器用さ,研究開発力,事務処理能力,他.
以上の能力を発揮させるには,自己の本来の所有する自己能力をいかに把握するかであり,明確化させる事によって,次の段階への準備が可能となる.そこで評価という形態が生じる.適切なる評価方法は自己発見を援助し,よき能力開発へのスタートとなる.
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