Japanese
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特集 脳性麻痺(成人)
重度脳性麻痺者の自動車運転能力の限界
Abilities and Limits of Driving by Severely Cerebral-palsied Adults
大喜多 潤
1
Megumi OHKITA
1
1兵庫県リハビリテーションセンター
1Hyogo Rehabilitation Center.
pp.159-164
発行日 1982年3月15日
Published Date 1982/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102589
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Ⅰ.はじめに
職業リハビリテーションでもそうであるように,重度の脳性麻痺者(以下,重度CP者と略す)が精度の要求される動作を,確実に長時間安定して行うことが,一般には困難視されているにもかかわらず,現実にはその様子が少し変って来ている.その好例に彼らの自動車運転(以下,車運転と略す)が挙げられよう.モータリゼーションの発展とも相俟って実用性のある移動手段として近年着目され,数量的にはまだしも障害者のニードに支えられ,全国のここかしこでこのことに関して努力が払われた結果,10数年前には考えもおよばなかった重度CP者の車運転免許も一部には取得可能になって来た昨今である.筆者自身も兵庫県リハビリテーションセンターにおいて作業療法に携わって間もなくからこの問題と取組んで来たが,本稿では今日に至るまでの若干の経験と,九州大分県下の西日本自動車教習所を訪問しての体験を通じ,十分に核心を見極めるまでに至っていないが,表題の件について定量的には把握出来ないにしても,定性的に考えられる点について述べたい.
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