反省させられた症例
重障児に対する理学療法アプローチ
西山 知行
1
1聖母整肢園港分園
pp.46-47
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102073
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はじめに
本誌第6巷に“症例の検討と反省”というシリーズが掲載されたが,これを含め反省させられた症例の内容を分折してみると,大きく治療そのものの問題と患者を取りまく社会的・心理的問題に分けられる.しかしこの二つの問題は関連しあっており,この関連の中で逆に反省させられることも多い.例えば,患者の心理的・社会的側面の考慮に欠けた治療目標は到達不可能であるし,治療テクニックの選択という治療そのものの問題でも,患者とセラピストの関係が大きく影響する.
これを脳性麻痺の治療の中で考えてみると,反省させられやすい点として
○評価・治療の中で主要な問題点を正しく見つけたか.
○主要な問題点に基づいた治療テクニックの選択および施行が適格であったか.
○治療結果を通して治療内容の検討・変更が行えていたか.
○治療目標は,治療結果,子供の社会的・心理的関係を含め,適正であったか.
○治療の過程で,子供とセラピストの関係はどうであったか.
○セラピストと母親および家族との関係,家庭内での指導はどうであったか.
○医師・OT・ST・心理・保母等との連携はどうであったか.
○年長児の場合,保育・幼稚園との関係および就学指導とどうかかわり合ったか.などがあげられる.
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