特集1 '80年代の幕開けを迎えて
'80年代のリハビリテーション医学界の展望
リハビリテーション資源の調整/リハビリテーション医学の主体性
今田 拓
1
,
明石 謙
2
1宮城県拓杏園
2川崎医科大学
pp.12
発行日 1980年1月15日
Published Date 1980/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102069
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'80年代の幕開けというと,期待を秘めた響きをもって受けとられるが,私には希望にふくらんだ予言の材料が見当らない.それとは反対にいま人間の生活にとって予想され得るふたつの深刻な問題があることだけは確実である.ひとつは老齢化社会が進むこと,もうひとつは石油をはじめとするエネルギーの不足であろう.資源とか経済に関係するこのふたつの問題を考えただけでも,住み易さを次の新しい世紀へ引継ぐ響きは冴えないようである.
リハビリテーションのための社会資源という言葉を時時耳にするが,これは使う人によっても異なるし,また誤解もあるようである.医療機関側からリハビリテーションの社会資源という場合,患者を収容する社会福祉施設を意味したり,無料で車椅子や補装具を供給してくれる制度を指していたりする場合もあるようであるが,制度や法律は資源にはならない.むしろ資源を調整する機能をもっているものなのである.
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