病院の広場
医療とリハビリテーション
今田 拓
1
1リハビリテーションセンター宮城県立拓杏園
pp.17
発行日 1968年7月1日
Published Date 1968/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541203377
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先日,ある県立の結核療養所を担当している主管課の係りが訪ねてきた。結核患者の減少によって病院経営の赤字がかさみ,地方自治体の財政を圧迫して,縮小とか廃止とかという声が起こっているという。そして再興の意味でリハビリテーションを取り上げてはということになり,内容教示におよびたいとのことである。この傾向は重症児施設と併設しつつある国立療養所の問題もあることから,現今決して珍しいことではない。
しかしその係の頭の中には赤字補填対策としての転化ということのみがあったためか"リハビリテーションというのは儲かるそうですが,どんな内容ですか"と開口一番の質問をしてきた。不勉強な役人にありがちなこのような失礼な質問には,私も近頃慣れっこになって憤慨もしないけれど,ともかく儲かる内容を教えなくてはならぬナンセンスな立場には,いささか戸惑ってしまった。"まあひとつご案内しましよう"と園長室を出た。
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