プログレス
ギプス粉の自製/障害者福祉都市
水野 祥太郎
1,2
,
小島 蓉子
3
1大阪大学
2川崎リハビリテーション学院
3日本女子大学
pp.726
発行日 1979年10月15日
Published Date 1979/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102020
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若い頃,阪大第1外科の忙しいギプス室へ納入されるギプス粉は「金沢」卸店からであった.南寄りの浜に焼成工場があるという.届けてくる丁稚に,「今日のは固まりが悪いから,2分くらい早く固まるようにしろ」と先輩が,尊大に命令していて,次にはその通りのものが納入された.
アフガニスタンで驚いたひとつに,倉庫のギプス粉がすべてドイツ輸入品で,メルク社のマーク入りであった.メルク社といえば高級試薬をつくる会社と思いこんでいたので,足許をすくわれた感でもあり,どうしてこの貧乏国がこういう贅をつくすのかと問うと,「ここには,ないからだ」と簡単に答えられて,驚きを重ねたことである.
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