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特集 特殊教育と理学療法士・作業療法士
障害児教育の養護・訓練に携わって―作業療法士の立場から
“Yogo Kunren”(Physical, Occupational and Speech Therapy) for the Handicapped Children
川合 輝子
1
,
山本 創二
1
,
坂本 美由貴
1
,
久保 辰美
1
,
坂口 弘美
1
Teruko KAWAI
1
1大阪府立堺養護学校
1Osaka Prefectural Sakai School for the Handicapped Children.
pp.227-238
発行日 1979年4月15日
Published Date 1979/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101883
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はじめに
今から10年ほど前には,障害の重い子どもにとっては,学校や学級に入学することは大変なことであった.入学前になると両親は必死になって,我が子の入学先をさがしまわった.が,近年は東京,大阪など全入学をめざして学校や学級が増加して,不就学の子どもの数が急速に減少した(図1,2,3).
また,新聞や,テレビでは障害児の教育に関しての,記事や解説など取り上げられる機会も多くなっている.これも,昭和54年度より実施される養護学校の義務化を,めざして世間一般にも関心がむけられてきたものと思われる.
しかし,義務化に反対の声もまだ根強くあるなかで,義務化にむかって,文部省はじめ各都道府県教育委員会等,上部機関では着々と進められている様子であるが,我々には発展的な進み具合もなかなか解りにくい不安な状況の中で,日々は過ぎている.
また,障害児にとっては,入学の保障は一歩前進したものの卒業後の進路についての保障は,一部の生徒を除いてはほとんど何もないに等しい今日といえよう.
“入学はよいよい,卒業はこわい”になろうとする養護学校での教育とは何であろうか,この点をふまえながら,障害児教育の,一つの領域である養護・訓練での実践を,報告して,読者諸氏の御批判をあおぎたいと思う.
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