書評
笹沼澄子 伊藤元信 綿森淑子 福迫陽子 物井寿子著―「失語症の言語治療」 付.鑑別診断検査・治療絵カード
浜中 淑彦
1
1京都大学
pp.136
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101856
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本書は東京都老人総合研究所言語聴覚研究室の笹沼澄子氏を中心とする治療グループが最近数年間の治療経験の報告をもかねて,成人失語症患者の言語訓練の原理と実際を論じたものであり,この種の単行本としては恐らくわが国では最初の本格的文献であろう.笹沼氏についてはあらためて紹介するまでもなかろうが,アメリカのMinnesotaの故H. Schuell女史の門下で,約10年前より極めて精力的に失語症の言語治療,失語症検査法の作成,言語治療士の養成に従事されるかたわら,いくつかの貴重な失語学的研究をも発表して国際的にも活躍されており,すでにいくつかの著書(例えば「失語症言語訓練手引」八重洲リハビリ1970など),訳書(H. Schuellら「成人の失語症:診断・予後・治療」医学書院,1964. H. Goodglassら「失語症の評価」医学書院,1975)がある.
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