書評
―福迫陽子・他 著(東京都養育院附属病院)―口蓋裂の言語治療
船山 美奈子
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター
pp.817
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105046
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唇・顎・口蓋裂の状態は出生時より哺乳の問題・形態異常が親に与える心理的問題に始まり,さらに,手術の問題,言語障害,歯科的問題・耳鼻咽喉科疾患,容貌に関わる心理的問題等々,その問題は多くの専門領域にわたる.そのため,関連領域の専門家の連繋のもとに長期的見通しをもった対応が必要とされる.専門領域間の連繋が有機的に機能するためには,口蓋裂の問題に関わる領域相互の理解とコミュニケーションが不可欠であろう.本書は,そのチームの一員でえある言語治療担当者の立場から,口蓋裂言語治療の実践の内容と臨床研究の成果のまとめ,臨床内容の向上と関連領域との連繋のための道標となることを願って書かれたものである.本書の著作らはみな,医療機関の中で,創始者的立場で,口蓋裂の言語治療に取り組み,言語治療の体系と,さらに,関連領域とのよりよい連繋のあり方を独自に築き上げて来た方々である.本書は,その臨床経験と研究実績の集大成である.
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