プログレス
上肢切断の原因と対策および義手/職業リハビリテーション(6)
田島 達也
1
,
松井 亮輔
2
1新潟大学医学部整形外科学教室
2身体障害者雇用促進協会
pp.435
発行日 1978年6月15日
Published Date 1978/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101702
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先天異常は手の外科の中で外傷に次ぐ大きな疾患群であるが,その中で直接リハビリテーション医療の対象になるものに先天性上肢切断がある.奇形の分類上,異なる二つの型があり,一つは遠位部横断欠損で,この型では切断端に指の痕跡が認められる.もう一つは先天性絞扼溝の究極型で,外傷性切断と同様断端に指の痕跡を認めない.また上肢中間部横断欠損(形成不全)としての「あざらし肢症」では,上腕と前腕の形成不全で上肢長が短縮し遠位端の手にも形成不全が合併するのでリハビリテーション医療上は上肢の先天性切断と大差ない場合も少くない.
上肢切断の原因としては,上述の先天例より挫滅創や原発性肉腫などに対して手術的に切断される例が遙かに多い.因みに外傷切断(切断創)例に対しては最近再接着術によってある程度役立つ手を再獲得できるし,膠原病や動脈硬化性壊死は通常指末梢部切断ですむのでADL上の障害は少い.
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