Japanese
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特集 切断者の能力
上肢切断者のリハビリテーション―義手訓練とその効果について
Rehabilitation for Upper-extremity Amputees: Effect of Prosthetic Training and Evaluation.
中島 咲哉
1
Sakuya Nakajima
1
1須磨赤十字病院整形外科
1Suma Red-Cross Hospital, Department of Orthopedic Surgery.
キーワード:
義手処方
,
仮義手
Keyword:
義手処方
,
仮義手
pp.89-96
発行日 1979年2月10日
Published Date 1979/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104107
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緒言
わが国における義手の組織的な訓練については,第二次大戦中の陸軍病院での血の滲むような訓練に遡って考えることが出来る.今も,その名残りを作業用義手を使って働いている人々にみることが出来る.しかし,残念ながら今日われわれが学んでいる義手訓練の方法は,戦後欧米から身体障害者のリハビリテーションの新しい流れが導入されたことに始まる.その後,短い間に,たくみに日本風に改められて現在に至っているといえよう.
ひとつひとつの具体的な訓練の方法については,改めてここで述べるまでもなく,種々の成書に記載されている通りであって,それ以上のものはない.作業療法室では,日常茶飯の訓練作業となっていることである.
しかし,依然として,断端は切りっ放し,義手はあてがい扶持という状況が変らず,義手とは,不格好で役に立たないものであるという評価が,医療に携わる人々の間に根強く存在しているのも事実である.
この矛盾は,上肢切断者のリハビリテーションに参加した人々が一度は感じていることではないかと思う.
その原因のひとつに,上肢切断者のリハビリテーションの体系化が,全く整傭されていないことがあげられる.
リハビリテーションの体系化とは何をすることなのか,切りっ放しであてがい扶持の現状を改めるには何をすればよいのか,を考える一助として,兵庫県リハビリテーションセンターで経験していることを中心に,上肢切断者の義手訓練の在り方について述べる.
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