The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 12, Issue 2
(February 1978)
Japanese
English
研究と報告
腰痛とPhysical Fitnessの関係
Relation between Low Back Pain and Physical Fitness
西本 勝夫
1
Katsuo NISIMOTO
1
1大阪市立大学付属病院
1Osaka City University Hospital.
pp.131-137
発行日 1978年2月15日
Published Date 1978/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101635
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はじめに
現代のような機械的文明社会に住む都会人は,すぐバス,車,エスカレーター等を利用し,下肢並びに腰部への負荷の頻度が比較的少ない生活様式になっている.従って運動不足(underexercise)による主にmuscle strength,flexibilityが低下していることは周知の事実である.さらにこの状況下で,感情因子であるストレスや不安の蓄積が,刺激過剰(overstimulation)を引きおこし易くなり日常生活上の重要な障害因子の1つともなりうる.
Stain Hausは“体力低下に伴う腰部障害の訴えは増えつつある”と述べているが,腰痛はもはや現代人の宿命ともいえる.
Hans Krausは,健康な生活を過ごすための最少のphysical fitnessを設定し,いったんこのレベルから低下するといろいろな臨床上の問題が起り,このレベルの改善と保持が問題の解決と予防につながると,その関連性を強調している.
今回われわれは,腰痛を惹起する原因とも結果ともなりうる躯幹,下肢筋のphysical fitness(以下PFという)に注目し,職業労作強度と腰痛発生との関係,腰痛患者の脊柱機能の分析,脊柱機能とADL・臨床症状・疼痛との関係について研究し若干の知見を得たので考察を加え報告する.
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