巻頭言
Physical Examination
筒井 裕之
1
Hiroyuki Tsutsui
1
1北海道大学大学院循環病態内科学
pp.337
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100188
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循環器領域におけるエコー,マルチスライスCT,MRIなど診断技術の最近の進歩,さらにIT技術を駆使したこれら診療情報のネットワーク化には目を見張るものがある.データをもとにコンピュータが診断し,治療法まで決めてくれるようなシステムが実際の医療現場に導入されるのも,それほど先のことではないであろう.患者さんの診察において病歴聴取や身体診察(physical examination)よりも検査のほうが優先されるという風潮が指摘されて久しいが,めざましい診断技術の進歩は,このような指摘をかき消さんばかりである.
スタッフ「この患者さんの心不全の所見は?」
主治医「BNPは,..」
スタッフ「身体所見だよ.音(!)では?」
主治医「ハイ.超音(!)波でmitral flowがrestrictiveパターンでした.」
スタッフ「3音ギャロップだよ.」
主治医「…」
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