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第2回「理学療法と作業療法」賞・受賞論文
準入賞:進行性筋ジストロフィー症のADL推移―F.S.H. TypeとL-G. Typeについて
Changes of Activites of Daily Living in Patients With Progressive Muscular Dystrophy-F.S.H. Type and L-G. Type
野々垣 嘉男
1
,
野崎 正幸
1
,
谷田 武喜
1
,
服部 一男
1
,
市村 博
1
,
林田 正
1
,
桂 秀行
1
,
平田 一宇
1
,
水谷 悦子
1
,
中島 鈴夫
2
Yoshio NONOGAKI
1
1名古屋市立大学病院
2名古屋市更生相談所
pp.913-921
発行日 1977年12月15日
Published Date 1977/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101600
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Ⅰ.はじめに
1884年Wilhelm Erb1)によって進行性筋ジストロフィー症(Progressire Muscular Dystrophy,P.M.D.)は単一疾患として命名され,遺伝学,生化学,病理学,臨床医学,リハビリテーションの見地から研究がなされ,病因の探求,治療法に多大な努力がなされて居るにもかかわらず,病勢進展を直接阻止し得る処置が殆んど見出されず放置されている難病疾患である.
近年,進行性筋ジストロフィー症(以下R.M.D.と云う)のリハビリテーションの重要性と効果について野島2),清原3),上田4),Abramson & Rogoff5),Hoberman,6)らによって報告されている.Abramson5)らは7カ月間に27名の患者に理学療法を施行し,筋力の改善,拘縮の滅少,ADLの向上を認めたといい,Hoberman6)は理学療法は筋力を強めることはなく,しかし,ADLの能力に改善を認めたと報告,上田4)は合併症の予防・改善,現存の能力維持と能力を最大限に発揮させ,病勢進展を遅延させ生命を延長することが大きな意義であると述べている.
著者らはP.M.D.のDuchenne type,顔面肩甲上腕型(Facioscapulohumeral type),肢体型(Limb-Girdle type)の自然経過における,基本的ADLの経時的な推移を検索することによって,P.M.D.の病勢推移を求めることが出来ると考える.これら病勢の推移(ADL)が容易となればリハビリテーション遂行に助けとなろう.
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