FORUM フォーラム ふぉーらむ
人は皆リハビリテーションの対象である
奈良 勲
1
1有馬温泉病院
pp.912
発行日 1977年12月15日
Published Date 1977/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101599
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- 文献概要
リハビリテーション医学は,障害を来たし,かつ,それなりの可能性のある者が,その対象となる.これは,リハビリテーションが特定の設定状況の中で,特定の目的意識を持って行なわれ,1つの専門分野として成立していることになる.
しかし,最も根本的なところに目をやると,実は誰もがリハビリテートされたり,したりしていることになる.これは,人間としての有機体が変化してゆく社会,白然環境の中で生きてゆくためには適応を余儀なくされるという事実である.また,有機体そのものの変化もあり,複雑な適応作用が種種のレベルで相互的に行なわれる.有機体の適応能力には個人差があるが,その限界に来ると,外界を有機体に適応させる手段が講じられる.しかし,もし,この種の適応が安易に行なわれると,有機体の適応能力を衰退させてしまう恐れがある.
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