メディカルプログレス
腰部脊椎管狭窄/重症筋無力症
岩倉 博光
1
,
真野 行生
2
1帝京大学塾形外科
2名大第一内科
pp.145
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101424
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1934年MixterとBarrは腰部椎間板脱出により腰部神経根が圧迫され,坐骨神経にいたみを生じうることを指摘した.以来,初めのうちはいくらか疑いを持って迎えられたようであるが,やがてこの考えは広く受け入れられて,神経根の刺激による坐骨神経のいたみは椎間板ヘルニアによるものが多いと見なされるようになった.このことが,ヘルニア切除術の失敗例を時に生み出す原因にもなったのである.よく検索してみると,腰痛および根性坐骨神経痛の原因には椎間板ヘルニア以外に椎間関節の2次性変化などによるものも多く,ここに述べる腰部脊椎管狭窄もその原因の1つである.
腰部脊椎管狭窄という言葉は,今や椎間板ヘルニアを除く殆どすべての神経根圧迫例に用いられるほど自由に広く使用されるようになってしまったが,混乱をさけるためには,次の3つのはっきりした臨床病理像のものに限るとよいと思う.
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