Q and A
「脳卒中患者に対する運動許容量は…」
楢橋 政和
1
,
飯野 耕三
2
1福岡東病院
2健康保険直方中央病院
pp.146-147
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101425
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Q 脳卒中患者で,心電図異常を示すものは,全体の約70%と言われております.私どもはこのような患者に対して治療訓練を行なう際,その許容運動量がわからず,つい訓練が消極的になりがちです.許容運動量の決定にあたっては,運動前後の心電図をとることも一つの方法かと思いますが,心臓に負荷がかかりすぎた時の心電図所見については,良くわかりません.そこで過負荷になった際の心電図所見とその発現メカニズムについて,ご教示下さい.
A 項目をあげて,順次お答えしてみたいと思います.
はじめに申し上げたいことは脳卒中後の片麻痺患者のリハビリテーション(以下リハと省略)は,対象者の多くが高齢者であり,高血圧,脳動脈硬化のみならず,虚血性心疾患,心不全,種々の不整脈,老人性肺気腫などの慢性呼吸器疾患,糖尿病,腎機能障害などいわゆる老人病としての多くのリスク要因を持っていることが多いので,予め十分な臨床検査を行い,合併症を明確にし,それにもとづいて加療可能なものは加療を開始しておくことが大切である.その上で主治医はセラピストに対して,過負荷にならない運動量と,予測されるリスクについて指示を行うことが望ましい.
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