臨床経験
腰部脊椎管狭窄症とその手術成績
佐藤 光三
1
,
千葉 武
1
,
小野木 正夫
1
,
若松 英吉
1
Kozo SATO
1
1東北大学医学部整形外科学教室
pp.172-179
発行日 1976年2月25日
Published Date 1976/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905316
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腰部脊椎管狭窄症(以下本症と略す)は1954年Verbiest12)が生来比較的狭い骨性脊椎管を基本として,これにspondylosisが加わつて発生した馬尾神経や神経根の圧迫症状として発表した,1968年Jones & Thomson7)は椎管の狭小の程度の判定方法や本症の手術症例13例と手術成績の判定基準を呈示した.また,Schatzker & Pennal11)は本症の原因となる6種の病態を分類した.これらの発表以来,わが国でも本症が注目されはじめたようである.若松ら25)が,13例を,また山田26)も4例を報告したのが始まりである.その後第46回日本整形外科学会総会で,栗原ら21),円尾ら22,23),蓮江ら16,17),平光ら18,19)の報告があり,わが国でも本症の概念が一般化されてきた.
われわれも,1970年若松らが報告して以来,まだそれ程多くの症例を経験したわけではなく,また手術後日も浅く,その経過もまだ流動的とは思われるが,その結果を一応まとめ,われわれなりの今後の治療指針にしたいと考え検討してみた.
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