Japanese
English
特集 運動療法
Ⅷ.内部疾患に対するの運動療法
呼吸器疾患の運動療法
Therapeutic Exercise of Pulmonary Diseuses
蒲田 英明
1
,
谷本 普一
1
Hideaki KAMATA
1
1虎の門病院呼吸器科
pp.1136-1142
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101384
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呼吸困難のため運動の制限されている患者においても,トレーニングにより運動能力の改善できることは,すでに1952年にBarachが述べている1).吾々も慢性呼吸不全の患者に歩行訓練を課し,歩行距離の延長できた例を報告した2).この場合,訓練の前後で安静時の肺活量,1秒量,あるいは動脈血酸素分圧などにはほとんど変化がみられない.これは,たとえば肺気腫の患者においていくら歩行訓練を行っても,肺気腫そのものの程度,拡がりが軽滅するわけでなく,むしろ当然といえる.にもかかわらず歩行能が改善出来るということは,患者の生活,活動性に大きな効用があるわけで,ここに運動療法の意義がある.
これらの改善が,どのような生理学的機序により,何が改善された結果であるかという検討がなされたのは比較的最近であり,まだ一致した見解は得られておらず,これからの研究にまつところが多い.
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