臨時増刊特集 診断基準とその使い方
II.呼吸器疾患
びまん性汎細気管支炎
谷本 普一
1
,
蒲田 英明
1
1虎の門病院呼吸器科
pp.1715-1717
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207492
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概念
びまん性汎細気管支炎とは,呼吸細気管支に病変の主座をおく慢性炎症が両肺びまん性に存在し,強い呼吸障害をきたす疾患である.形態像は,①肉芽組織による閉塞を起こす閉塞性と,②リンパ濾胞の新生を伴う円形細胞浸潤を示す壁内繁殖性の2型がある.性別では男性に多く,発病年齢は各年代層にわたり,高率に慢性副鼻腔炎を合併または既往にもつ.慢性の咳,痰,労作時息切れを主症状とし,病勢の進展とともに気道感染を合併し,呼吸不全のため不良の転帰をとる.
ここで,びまん性とは病変が両側肺内に広汎緻密に散布することを意味し,汎とは汎血管炎と同様に,炎症が呼吸細気管支の全層にわたって生じていることを意味し,形態学の立場から山中1)によって名づけられ,その臨床像は本間および筆者らによって明確にされたもめである2,3).
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