Japanese
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特集 運動療法
Ⅱ.中枢性麻痺に対する運動療法
A.運動の中枢機構
概説―随意連動の生理
A Glimpse of Physiological Studies on the Voluntary Movement
大島 知一
1
Tomokazu OSHIMA
1
1東京都神経科学総合研究所病態神経生理学部門
pp.931-937
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101356
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ヒトが自由意志によって選び遂行しうる運動が随意運動である.それでは,動物のばあいはどう言えばよいであろうか.随意運動の中枢機序を解明するためにはどうしても動物実験が必要である.
この設問にはっきりと答えた最初の生理学者はI.P. Pavlovであったと思う.彼は,後で述べるオペラント型運動条件反射のデータを引用して短い綜説を1936年に書いている(パブロフ選集,川村浩等の訳があるが絶版,1955年,蒼樹社).その中でPavlovは,運動の随意性の生理学的根拠は広汎な条件づけの可能性にあると述べた.このPavlovの示唆にしたがって,現代の生理学は,随意運動とは種々のオペラント操作によって条件づけができる各種の行動系列であると,定義している.
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