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特集 義肢
大腿切断における術直後義肢装着法の訓練
Training of Immediate Postsurgical Prosthetic Fitting for Above-Knee Amputee
福田 光祐
1
,
鶴見 隆正
1
,
鈴木 洋
1
Mitsusuke FUKUDA
1
1横浜市立大学SU病院リハビリテーション科
pp.513-520
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101252
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Ⅰ.はじめに
下肢切断者のリハビリテーションの目的は早期に義肢を装着させ,実用的且つ正常パターンに近い義足歩行を獲得し,社会復帰させることである.
従来の下肢切断者に対する義肢装着法においては,切断後の良肢位保持,断端訓練,弾性包帯の装着等を行い,筋力,ROMが改善し,断端の形状が定まった上で,初めて義肢の処方が成されてきた.しかし,断端形成までが長く義肢装着も遅れ,心理的影響も加えて,歩行獲得までの期間の延長を余儀なくされてきた.
1958年Berlemontによって,切断術直後手術台の上にて義肢を装着し早期歩行が可能であることが報告された.その後,Weissは研究追試を行い,1963年術直後義肢装着法の効果を強調し,各方面から注目を集めた.さらに,各国で追試が成され,本邦でも,1967年松本等が報告して以来,武智,沢村等と多くの報告がある.
術直後義肢装着法は,その利点として,断端の浮腫の軽減,手術創の早期治癒,疼痛及び精神的ショックの軽減,早期歩行等が挙げられる.本法を成功させるには,患者の理解,協力は言うまでもなく,医師,看護婦,PT,OT,義肢製作者,心理判定員,ソーシャルワーカー等のチームワークと適切なアプローチが必要であり,また義肢製作においてはパイロンから本義肢まで一貫したパーツの統一化と,これに関連した設備の充実が必要である.
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