論述
Hemipelvectomy Prosthesisと切断直後の義足装着について
沢村 誠志
1
,
小林 郁雄
1
,
村田 秀雄
1
,
三橋 保雄
2
,
安藤 元之
2
,
横手 博臣
Seishi SAWAMURA
1
1神戸大学医学部整形外科
2兵庫県立身体障害者更生指導所
pp.494-502
発行日 1968年6月25日
Published Date 1968/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903930
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Hemipelvectomyの手技および適応などに関しては,1891年Billrothにより初めて試みられていらい,多くの報告がなされている1).特に,最近における手技および輸血の進歩により,術中の出血性ショックによる死亡率はきわめて少なくなり,その症例数も多くなつてきている.しかしながら,hemipelvectomy後に義足を装着することに成功したという報告は,Wise11),Wirbatz10)ら,2,3,を数えるにすぎず,本邦における報告例をみていない.
この様に,hemipelvectomy prosthesisの報告例が少ない原因は,次の2つの理由によるものと思われる.その第一の理由として,hemipelvectomyを行なつた断端には,体重の荷重をしうる骨組織をかくため荷重が困難であることと,さらに,断端に対する義足ソケットの固定および懸吊が困難であることなど,ソケットの適合に関連した問題があげられる.第二の理由としては,義足歩行の実用性を左右する義足のalignmentによる安定性をいかに獲得するかという,主として義足のalignmentおよび接手の構造に関連した問題があげられる.
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