The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 10, Issue 2
(February 1976)
Japanese
English
講座
統計学(1)
Statistics (Part 1)
中司 利一
1
Toshikazu NAKATSUKASA
1
1横浜国立大学
pp.127-132
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101166
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1.はじめに
今日,統計的方法による資料の整理と分析は,自然科学だけでなく社会科学など多くの科学の中に取り入れられ,ますますその重要性を増している.
理学療法や作業療法の分野でも,基礎的な統計の知識と技術を身につけていれば,多数の事例を対象として,観察したり,測定したり,実験した結果から一定の傾向ないし法則を見い出そうとする時,非常に役に立つことが多いであろう.また,1人の事例についての徹底的な研究からある法則を発見することを期待する事例研究とよばれるような研究でも,そこで同一の検査が反復実施された場合,得られた資料の分析にあたって統計的方法が役立つことがある.
このような理由で,われわれはリハビリテーションをさらに発達させるため,ある程度の統計法を知っておくことが望ましい.
本講座は,こうしたねらいから,理学療法や作業療法を進めるさい,最小限に必要と思われる統計的知識を紹介することにする.しかし,統計学およびその諸科学への応用は最近目ざましい進歩をとげているが,これから取り上げることがらは,そのほんの一部にしかすぎないので,詳細は専門書によってさらに研究してほしい.
ところで,今回は統計の基礎について述べ,第2回目と第3回目に検定について述べる.
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