The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 10, Issue 2
(February 1976)
Japanese
English
特集 整形外科的疾患から
変形性頚椎症
Cervical spondylosis deformans.
冨士本 隆文
1
,
高橋 長
1
,
板場 英行
1
,
毛利 陽子
1
,
高橋 正則
1
,
西田 洋子
1
Takafumi FUJIMOTO
1
1中国労災病院リハ科
pp.119-126
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101165
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Ⅰ病理
<椎間板の退行性変化とそれによる椎体の変形>
椎間板は年齢がすすむと,水分が減少し,軟骨細胞の数が減じ,線維組織が進入して,弾力性を失う.その結果,椎体に加えられた振動を和らげることができなくなる.また,椎体骨閉鎖板の骨硬や椎体辺縁に骨棘形成などの増殖性変化をおこしてくるが,その過保は,線維輪の椎体縁堤に連なる部分が外力によって,断裂,弛緩して,運動や負荷時に線維輪が外方に圧出され,椎体縁に異常な牽引力が加わって骨増殖がおこるといわれている.したがって,このような変化は,運動に富む関節や負荷を受けやすい部位に生じ易く,頚椎では,C4-7に著明に発生する.このような椎体の骨硬化や骨棘形成などの増殖変化がレ線的にみとめられると,変形性頚椎症と診断されるが,これは加齢による退行性変化であって,生理的なものであり,年齢の長ずるに従って累積的に増加し,必ずしも臨床症状を呈するものではない.しかしこのような頚椎の形態的変化が疼痛の原因となり,また,脊椎管内に突出した骨堤や骨棘が脊椎管の狭窄をきたして,初老期以後の慢性脊髄障害の原因となる場合は臨床上重要である.
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