The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 10, Issue 2
(February 1976)
Japanese
English
特集 整形外科的疾患から
麻痺上肢の機能再建術とOT
Functional Reconstruction of the Paralysed Upper Extremity and Occupational, Therapy
椎名 喜美子
1
,
石井 理恵
2
Kimiko SHIINA
1
,
Rie ISHII
2
1都立北療育園城南分園兼務都立豊島病院
2都立駒込病院
pp.109-117
発行日 1976年2月15日
Published Date 1976/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101164
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Ⅰ.はじめに
近年,交通事故,労働災害等により,上肢機能とりわけ手指機能が,著しく障害される外傷が,数多い.その中には,単に一次的な創傷処置だけでは,機能回復が充分に得られないものも多い.そこで,機能再建術が必要になってくる.
機能再建術の対象としては,末梢神経麻痺,ポリオ,片麻痺,脳性麻痺,脊髄損傷および特殊な脊髄疾患,などの麻痺性疾患の他,挫滅創,腱・関節の損筋,時には,先天性奇形も含まれるが,本論文では,主に末梢神経麻痺を対象とした機能再建術について,述べていきたい.
しかし,機能再建術に刻するOTは,障害局所にのみ目をうばわれて,全体的な,ADLの面に注意が,欠けるようなことが,あってはならないのは,当然であり,隣接する関節の機能障害,合併せる瘢痕,筋・腱の障害にまで,OT的観察,治療を要することは論を待たない.
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