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講座
手指の障害学(臨床編) 1.主として上肢の機能再建術について(1)
Impairments, Disabilities and Handicaps Related to the Hand and Finger. 1. Reconstructive Surgery for Paralytic Upper Extremity
原 徹也
1
,
椎名 喜美子
2
,
仲木 右京
2
Tetsuya HARA
1
,
Kimiko SHIINA
2
,
Ukyo NAKAKI
2
1東京都立広尾病院整形外科
2東京都立広尾病院リハビリテーション室
1Dept. of Orthop. Surg., Tokyo Metropolitan Hiroo Hospital.
pp.179-187
発行日 1987年3月15日
Published Date 1987/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103749
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Ⅰ.総論
1.はじめに
上肢の障害について臨床的に述べるには限られた紙数では限定して著すほかはない.ここでは機能再建術を中心として述べることとする.
障害,あるいは麻痺が固定期に入り,後障害が大きく,失われた機能をとりもどし患肢を再び日常生活に便ならしめるように行う目的手術が機能再建術である.
機能再建術を行うにあたっては対象としての患者の日常生活様式,ニードを分析し再建すべき動作を決定するとともにそのために利用出来る力源などを探究せねばならない.力源数が十分にないときは再建すべき機能は必然的に制約されざるを得ない.また広範囲の重度損傷―例えば,腕神経叢麻痺の全型,神経根引きぬき型損傷―などの場合は最低限度の機能再建にならざるを得ない.機能再建に用される力源の有無により再建機能は左右されることを知っていなければならない.無から有は作り出し得ないのである.
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