The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 9, Issue 11
(November 1975)
Japanese
English
研究と報告
片麻痺跛行における腓骨神経刺激装置の応用
Clinical application of the peroneal nerve stimulator in hemiplegic patients.
灰田 信英
1
,
根岸 喜美雄
1
Nobuhide HAIDA
1
1慶応義塾大学病院リハビリテーション・センター
pp.801-805
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101122
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Ⅰ.はじめに
近年の医用電子工学の発展に伴ない,随意制御を喪失した人間の手足に対する外部からの電気駆動制御の技術がリハビリテーション医学の分野に導入され,braceやsplintの開発に応用され,その成果には目を見張るものがある1~3).
中枢神経系障害,特に片麻痺患者の歩行において,pretibial musclesの筋力低下,或いは下腿三頭筋の痙性により尖足を示す事実は臨床の場において多々見られる.これにより,Heel Strikeの消失,あるいは患足の遊脚相の異常パターンが歩行時に大きな障害となり,患者にとって多大なエネルギーの損失となっている.
従来のリハビリテーションでは,保存的療法として,これらの患者に対して下肢装具が処方されてきたが,それらは尖足に関与していない筋にまでもいつも緊張を強いていたり,重いとか,またcosmeticな面から種々の欠点があった.
今回,尖足歩行の矯正の目的で下肢装具に代わり得るものとして,腓骨神経刺激装置(オランダ・フィリップス社)を,脳血管障害片麻痺患者2名に応用し,同装置の効果と使用上の問題点を,健常者の歩行パターンとの関連の上で検討を加えた.
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