Japanese
English
研究と報告
片麻痺における回復段階と歩行様式との関係について―第1報 跛行とstabilityに関して
The relation between the recovery stage and gait pattern in hemiplegia
保坂 昭治
1
,
渡辺 洋
1
Syoji HOSAKA
1
,
Hiroshi WATANABE
1
1伊豆韮山温泉病院
pp.219-222
発行日 1970年6月9日
Published Date 1970/6/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100334
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歩行異常について原因により種々の様相を呈している.しかし,からだの移動を目的とした動作に関して基本的には重心と両脚間における基底面の関係に必要条件として,少なくとも重心が基底面内にあるか,またはあらかじめ定められた場所へ重心が移動するときそれに対応した新しい基底面を用意する必要がある.これが脚の移動によって遂行され,かつその基底面と重心が一定にバランスを保った条件におかれることになる.しかしそれらの動作を阻害する因子があると,それに対して代償動作が働き,少なくともからだの移動だけでも不安定ながら遂行しようとする働きが生じる.阻害因子とは歩行状態を不安定にさせる因子であるが,それには関節可動域の異常,および筋力の低下,運動コントロールの異常,筋緊張の異常などがあげられる.
そこで,われわれはこの論文では下肢の各関節の運動異常とそれらの基底面と重心の関係,すなわち安定性というものから歩行異常の分析および代償動作の分析を目的論からみてみようと試みるものである.
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