今月の主題 老人診療のポイント
治療および処置上の注意点
間歇性跛行
高橋 和郎
1
1鳥取大学医学部・神経内科
pp.1358
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221794
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■間歇性跛行の症状と原因
間歇性跛行(intermittent claudication)は歩行に際して数10mあるいは数100mの歩行をすると下肢に疼痛や脱力が起こり,歩行不能となってしゃがみ込み,少し休息すると再び歩行可能となる現象である.階段を登るときにもみられる.原因は運動による筋肉などの運動器管が血液を多く必要とする一方,血管狭窄などによりその血流が十分保てなくなることによる.
最も一般的にみられるのは下肢の大きな血管の閉塞あるいは狭窄により,運動時に下肢筋に十分血流が保たれず,虚血状態になるもので,下肢の疼痛とともに脱力がみられる.動脈狭窄の原因は動脈硬化,Buerger病などである.疼痛は下腿にみられることが多いが大腿のこともあり一定しない.
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