日本の老人の統計

Statistics on the old in Japan

はじめに

　昨年は，人口問題について世界的に意義のある年であった．それは国連主催による第3回世界人口会議が8月19日から8月30日まで，ルーマニアの首都ブカレストで開催されたことである．

　この会議は世界の人口問題の重要性を認識し，各国の人口政策を推進するため国連が74年を「世界人口年」と決定し，その国際行事として開催されたものである．過去2回，1954年ローマで，1965年ベオグラードで，各国の人口学者を中心とする専門家による世界人口会議が行なわれてきたわけであるが，今回は，そうした専門家会議を経て出てきた国連による世界人口行動（案）を各国の政府代表によって，人口問題（人口の抑制が中心課題）が話し合われたわけである．

　当初予想された通り，人口増加を社会経済の発展の原動力と考え，国際会議で自国の人口を制約される行動案に反対する開発途上国と，人口の抑制―静止人口への定着―に賛成する先進諸国と鋭く意見が対立したが，しかし各国は多くの修正，追加事項を挿入しながらも，結局1985年までに人口行動計画案を樹立することになった．