The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 8, Issue 11
(November 1974)
Japanese
English
特集 精神医療における作業療法士の歩み
世田谷リハビリテーションセンターの場合
OT's role in the field of psychiatry-Setagaya Rehabilitation Center
山下 清次
1
Seiji YAMASHITA
1
1世田谷リハビリテーションセンター
pp.671-674
発行日 1974年11月15日
Published Date 1974/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100917
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はじめに
「精神科における作業療法士の歩み」をリポートするにはあまりにも少ない臨床経験である.しかし精神科にO.T.として勤務し,約一年半になる.その歩みの過程で感じたものをなるべく素直に表現したい.
これは,あくまでも現勤務先「都立世田谷リハビリテーションセンター」での歩みでしかない.また当センターには小生の他に4名のOTRが働いているがそれぞれ違う考えであるかもしれない.出来れば当センターOTR全員でまとめれば良かったのだが,それが出来ず個人的私見になることを断っておく.
このリポートを書くのに若干のためらいがあり,また原稿〆切り日を相当オーバーしてしまった.その原因は何であったのか? それを考えるのも歩みの一側面を示すものとして記すことにしよう.
この一年半,精神科で何をやって来たのか明確なものが残っておらず,ただ漠然としている.二年目を迎えそろそろ,その漠然さを整理しようと思いつつも,日常性に流されてしまい実現出来なかった.また,そこにメスを入れることに何となく不安があったし,そのままそっとして置き流れて行こうと言う気持があったことも事実だ.
そんなちゅうちょしている自分を無理じいしても考えさせるに,このリポートは絶好の機会であると思った.そこで,引き受けたのは良かったもののなかなか思うようにペンが進まず苦労した.弁解がましくなったがここいらに,まさに小生の置かれているOTがあるのではなかろうか?
どこまで漠然としたものが明確になるか不明だが,一年半の臨床経験をなるべく感じたままに整理検討し,自己点検してみたい.
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