講座
対談/PT,OTと研究(2)
砂原 茂一
1
,
上田 敏
2
Shigeichi SUNAHARA
1
,
Satoshi UEDA
2
1国立東京病院
2東大病院リハビリテーション部
pp.115-122
発行日 1974年2月15日
Published Date 1974/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100779
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治療・病態生理・正常生理のどれを研究するか
上田 研究の発想,アイデアというものが出てくる,そのアイデアをつかむ仕方に幾つかのタイプがあるのじゃないかということを,前にも幾つか出ましたが,ここでもう一寸つっこんで考えてみたいと思います.研究の対象の絞り方といったものから分けてみると,まず,現在いいと思ってやっている,あるいはよさそうな新しい治療法というものがほんとうにいいのか悪いのかという治療そのものの研究がありますね.それから第2に異常な病気の研究,あるいは異常な状態における人間というものの研究というようなことで,たとえば片麻痺の患者の歩行にどういう異常があって,それがどういうメカニズムで起こっているのかといったことです.これは治療の前提として必要な研究のわけで,そういう異常状態,あるいは病態生理というか,そういうものの研究があります.それから第3にさらにその前提として,片麻痺の異常歩行を理解するために,正常な歩行とはいったい何なんだというような形の,正常なものの研究というのがやっぱりあると思いますね.
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