講座
対談/PT,OTと研究(4)
砂原 茂一
1
,
上田 敏
2
Shigeichi SUNAHARA
1
,
Satoshi UEDA
2
1国立療養所東京病院
2東大病院リハビリテーション部
pp.267-273
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100817
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上田 これまでうかがった他にも研究の仕方というのはいろいろあるのじゃないかと思うんです.例えば,これまでは治療の話が主になりましたが,運動学的な研究ということになると,これまでにも,こういう動作をするときにはこういう筋肉が働くとか,あるいはいろいろな日常生活動作に関して,こういう関節がこの程度動くんだということがいわれているし,教科書にも書かれている.しかし,果たしてそうであろうかという疑いを持って,実はそうではないのじゃないかという仮説をもってやっていく.そういう場合は普通正常な人間についてやってみるということになりますね.
そういう場合の研究というのは,これは対象によるでしょうけれども,普通は何例くらいやれば信用できるデータになるのか.――つまり,1例ではいけないということはわかりますね.たとえば5例なら5例やって,それが非常にそろった結果が出たら,そこでやめてしまっていいのか.逆に,3例やって3例がみんな違っていたら,これはとてもやってもまとまりっこないからあきらめたほうがいいのか,そのへんの規準は,なにかないんでしょうか.正常なものの変異というものをちゃんととらえるには…….
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